恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
いくら私にとって砂川君が特別な存在で、他の男性とは違い恐怖の対象ではなく、安心をくれる人だとしても、一つの病院の中でずっと2人きりで過ごせるかというと、私の中でそれは別問題であった。
「じゃあ夜ももう遅いし、沙和ちゃんはシャワーを浴びてもう眠った方が良いわね。隼斗ももう遅いし、今夜は病院に泊まったら?」
「あぁ、そうする」
そう言って砂川君が無意識のような仕草で指を目頭に当てた。
深夜1時。ただでさえ医師として朝からずっと働いて忙しかった筈なのだ。疲れさせていない筈が無い。
ただここで謝るような事を言っても、かえって砂川君に気を遣わせてしまうだけだと唇を噛んだ。
「さ、沙和ちゃんおいで」
「あ、はい・・・っ」
楓さんの言葉にハッとして、私は楓さんについていくようにしてロビーから個室へと戻った。