恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
タオルやパジャマを用意してくれるという楓さんの言葉に甘え、私は部屋についているシャワー室でシャワーを浴びた。
四角にカットされた石けんを泡立てて、顔を撫でる。真っ白な泡に視界を包まれながら、改めて今日はいろんな事があった日だったとため息をついた。
羽瀬君に食事に誘われて、連れていって貰ったお店で天津先輩に再会して、それで・・・。
(駄目だ、もう今日は天津先輩の事を考えるのは止めよう)
そう思い冷水で石けんをすすいだ。天津先輩の事をグルグル考えて、また発作でも起こしたらそれこそ大変だ。もうこれ以上砂川君に迷惑をかけるわけにはいかない。
それに今の私には、砂川君も、砂川君のお姉さんである楓さんも側にいてくれている。
以前の、ずっと1人きりであった私とは違う。
1人で怯えていた昔とは違うのだ。