恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
そう思うと、安心して肩の力がフッと抜けた。
PTSDを発症して以来、こんな気持ちになるのは初めてだと思った。
温かいお湯を浴びたせいか、それとも精神的なものなのか。映る自分の顔色の良さに少し驚いてからシャワールームを出た。
ドアの側に置いてあった、最初は空であったバスケットの上に柔らかなタオルとミントグリーンのパジャマが置いてあり、ありがたく拝借してから部屋に戻った。
「パジャマのサイズ、大きくない?沙和ちゃん小柄だから」
「大丈夫です、ありがとうございます」
本当は袖で手が半分ほど隠れていたのだが、小さいより温かいしずっと良い。
「はい、ここきてから何も飲んでないだろうからって、これ隼斗から」
そうやって楓さんから差し出されたのは、冷えた缶に入ったカフェオレだった。しかも、沙和が昔から好きなメーカーのものだ。高校時代から、よく学校の自動販売機で購入してよく飲んでいた。
砂川君がこれをくれたのは、それを覚えていてくれたからだろうか。