恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

もし偶然であったとしても、砂川君が自分の為にくれたのだと思うと胸がきゅっとなるほど嬉しかった。

「ありがとうございます、これ大好きなんです」

思わず頬を緩ませながら楓さんからそれを受けとると、同時に楓さんの表情がピクッと変ったのが分かった。

「ねぇ沙和ちゃん、何となく突っ込めずにいたんだけど、うちの隼斗とは本当に本当に何ともないの?元クラスメートの友達で、医者と患者の関係ってだけ?」
「へっ?」

思わぬ質問に、思わず缶を落としてしまいそうになった。

目の前の楓さんは、からかうようににこにこと口角を上げている。


──ねぇ、本当に砂川君とは何にもないの~?ただの友達兼お医者さん?恋愛感情とかさぁ、無いの?

以前綾香にも、会社で似たような事を聞かれた事をふと思い出す。
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