恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

結局こらえきれずに涙をぽろぽろと流してうつむいてしまった私を、楓さんが優しく抱きしめてくれた。

ふわっとしたあたたかさに体が包まれて、思わず鼻の奥がツンとした。

「ねぇ沙和ちゃん、自分の世界を閉ざしてしまわないで。沙和ちゃんに辛い思いをさせた男と、隼斗は違うと思うわよ?」

「・・・・・・。」

そんな楓さんの言葉にハッとなる。

「それは、沙和ちゃんが一番よく分かっているんじゃないかしら」

・・・天津先輩と、砂川君は違う。砂川君はきっと、私を傷つけるような事はしない。

耳元で優しくささやかれた言葉に、楓さんシャツの袖をきゅっとつかみながらコクンと頷いた。





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