恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「随分落ち着かなそうだな。今日からここで暮らすんだから、早く慣れろよ」
そんな羽瀬君の言葉に思わず目を剥いた。
今日からここで暮らすって…。
「無理です、そんな、これ以上迷惑かけられません。それに、たった一回お見合いで知り合っただけの私なんかに、どうしてここまで…」
「へぇ、たった一回見合いしただけの他人に世話かけるのが気が引けるって事か」
それもそうだけど、それだけでは無く…。
どう訴えたらよいのか分からず、頭を抱えた時だった。
「前に、お前と結婚する気はないって言ったの覚えてるか」
唐突な質問に、思わずきょとんとなる。
たしかに、お見合い当日、羽瀬君に確かにそう言われた。
「あれ、撤回だ」