恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「俺はお前の主治医でも、友達でもない。だからお前を守る理由が欲しい。」
「…羽瀬君…」
「だから頷いてくれ。俺と婚約するって」
いつになく真剣な顔の羽瀬君に、まるで身体が固まってしまったかのように、首を縦にも横にも動かす事ができなかった。
「私を守る理由が欲しいって…どうして…」
つい漏れたそんな言葉に、羽瀬君がバツが悪そうに少し顔を逸らす。
「俺に触られたくなかったら、これ以上野暮な事聞くなよ」
「……はい」
羽瀬君の言葉に、思わずはいだなんて頷いてしまう。
事の展開に戸惑う私に、羽瀬君が釘を刺すように続けた。
「いいか、ここからお前が逃げたら、俺は隼斗にお前が実家になんぞ帰ってない事をバラすからな」
「なっ…」