恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

「置き手紙でも置いて逃げ出して来たんだろ。お前が実家に帰らずに一人でいる事がわかったら、隼斗は必死でお前を捜しまくるだろうな。それでお前に何かあったら、責任を感じて自分を責めるんだろうな」

「……っ」

──お前に何かあったら、責任を感じて自分を責めるだろうな。

その言葉にひやっと背中が凍りつく。

自分の行動が原因で姉を亡くしてしまった私には、その気持ちが痛い程よく分かる。

そんな思いを、砂川君にさせる訳には絶対にいかない。

「安心しろ。大人しくここで俺に守られてればいい。そうしたら、隼斗には黙っててやる」

「でも、羽瀬君は…私をかくまってたら、羽瀬君も、きっと」

「俺は良いんだよ。むしろ俺を狙ってあっちから現れてくれた方が好都合だ」

曇りも、怯えも、迷いも少しも無いような羽瀬君の瞳に思わず息を呑む。

どうして…どうしてそんなに強くいられるのだろう。
 
自分には到底叶わない強い人だと思った。




こうして私は、羽瀬君の家で匿われる事となった。


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