恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
沙和を見つけ、今は俺の家にいる事。自分をかくまっている人間に危害を及ぼすとの脅しの電話を受け、クリニックを抜け出した事。これからしばらくは俺が沙和を保護するつもりだという事。
そう全てを話すと、電話越しに隼斗が安堵したように息をついたのが分かった。
『とりあえず安心した。…ありがとな。あと、一つ確認してもいいか?』
「あぁ、何だ?」
『しばらく相澤を匿うって話だけど、お前、今実家出てるよな』
そんな隼斗の言葉に、悪い事をしているわけでもないのに思わずギクッと体が凍った。
男である俺との二人きりの生活というのが、隼斗にとって心穏やかでない事だというのは手にとるように分かる。だが沙和と隼斗が交際関係にない以上、隼斗がそこに口を出す事は出来ない。
「沙和の病気の事は理解してるし、ちゃんと気遣って生活するつもりだ。男との共同生活ってのが一番のストレスだろうが、状況が状況だから、沙和は俺の家に置いておきたい」
セキュリティー万全の、タワーマンションの最上階。セキュリティーも、そこらのマンションや沙和が元いたクリニックよりも確かな筈だ。