恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】



もしかして俺は、酷い横恋慕をしているのではないか。いや、もしかしなくともそうだ。

…でも、それでもかまわないと思うほどに沙和を、手にいれて誰にもわたしたくない。


自分の中にこれほど醜い感情があるという事を初めて知った。





「羽瀬君、おかえりなさい」

クリニックを出て自宅のマンションに戻ると、部屋の奥から小走りで現れた沙和が玄関で出迎えてくれた。

ぎこちないがそれでも可愛らしい控えめな笑顔と、ここ数年誰に言われることもなかった”おかえりなさい”という言葉の破壊力はすさまじい。
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