恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
(…可愛い)
明らかに着づらそうではあるし、沙和用の新しいものを買ってやろうと思う反面、オーバーサイズのエプロンを身にまとう沙和の可愛らしさを思うと、それも少し惜しいような。
「…羽瀬君?」
「え?あぁ、いや、何でも」
沙和から目を反らし、いただきますと手を合わせてから箸を伸ばしてからいり鶏を口に運んだ。
「…美味い」
薄めの味付けの、優しくてあたたかいような味に、思わずそんな言葉が漏れた。
そんな自分の言葉を聞いた沙和が、ほっと安心したように嬉しそうに微笑む。
「よかったぁ」