恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
今、一体俺は何に対して傷ついたんだろう。
沙和の事を気遣ってあげられなかった自分に?
隼斗には直接触れられる事は平気でも、俺には近づく事すらままならない事実に?
自分勝手にそう心を曇らせながら食事を終え、俺はソファに放り置いていた鞄をもう一度手にとった。
「沙和、渡したい物があるんだ」
そう言って沙和に向き直ると、沙和はきょとんとした顔で小さく首を傾げた。
「渡したい物ですか?」
「あぁ」
そういって鞄から、包装紙に包まれた小さな箱を手に取りそれをテーブルに置いた。
戸惑うように俺を見つめる沙和にそれを開けるように促すと、沙和はおずおずといった様子で箱を手に取り、包装紙を剥いた。
オープン式の箱が現れ、沙和がそれをゆっくりと開く。