恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「ご、ごめん!指汚れちゃったよね」
「いいよこれくらい」
そう言いながら、砂川君は花壇の中の花を見つめるように腰をかがめた。
「綺麗だな、何ていうの?」
「えっとね、カモミールっていうの。可愛いでしょ、それにね、可愛いだけじゃなくってすごく良い匂いがするんだよ」
そう言うと、砂川君はカモミールに顔を寄せ、驚いたように少し目を丸くした。
「すげー良い匂い」
「でしょう。私、だからこの花が一番大好きなの。それにね…」
――――――