恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

それなのに私はろくなお礼もしないまま、あんな手紙一つ残して逃げるように砂川君の前から姿を消してしまった。

…会いたい。

砂川君に会いたい。でもこれ以上砂川君の側にいたら、砂川君を危険な目に遭わせてしまうかもしれない。そして今、一番危険なのは羽瀬君だ。だって、まだ警察からは何の連絡もない。もし私が羽瀬君の家にかくまわれている事が天津玲二に知れたら。

(…いや、もしかしたらもう)

心の中で無声音に呟いた言葉に、思わず身震いしてしまいそうになった。発作が起きてしまいそうになり、慌てて呼吸再調整法で息を整える。

このままじっとしていては、きっとまた発作を起こしてしまいそうになる。そう思い立ち、早めに朝食を用意しようと部屋を出てキッチンに向かった。





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