恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】


卵焼きに、白菜とわかめのお味噌汁と鮭の薄焼き。いかにもな朝食定番メニューを作り終えた頃、ちょうど眠たそうにあくびをしながら羽瀬君がリビングの部屋のドアを開けた。

「羽瀬君、おはようございます」

「…はよ。すげー美味そう、もう食っていい?」

「もちろんです」

美味そう、とか、美味しい、とか。羽瀬君は私がつくった料理に対していつも嬉しい言葉をくれる。羽瀬君の事は、最初はちょっと…というか、怖いなと思っていたというのが正直な所だった。

どこか無愛想で少しぶっきらぼうな所は出会った時からあまり変らないけど、でも今は、本当は優しい人なんだって分かった。

私の事を守ってくれて、気にかけてくれて。それに、ついこの間まで赤の他人だった私を、今はこうやってかくまってくれている。

「羽瀬君って、本当に親切ですよね」
「ん?」
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