恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

「砂川君！良かった、良かった、…っ」

痛いと言われたにもかかわらず、その手を離す事なんて出来なかった。

ずっと、ずっと、ずっと──…ずっと不安で、ずっと目を覚ましてくれるのを待っていた。

心の奥から溢れて止らない感情は、涙になってこぼれるのだと知った。

「相澤…泣きすぎ、だから…」
「だって、だって…っ」

良かった。本当に良かった。

「私…もう砂川君のいない世界で生きてなんていけない」

あんまり涙が止らないせいで、泣きじゃくる私を見て困ったように優しく微笑む砂川君の顔がぼやけて滲んだ。

「相澤…」
「……っ」

ずっともう一度名前を呼んで欲しいと願っていた。


あまりに強く願っていた事がかなうと、こんなにも不思議で、嬉しくて…たまらなくなるなんて知らなかった。


「砂川君、私を助けてくれてありがとう。…大好き」






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