恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
その為なら、例え男の俺にとっての生殺しの状態がずっと続くのだとしても仕方がない。
リスクがゼロに近づく日が来るまで、相澤が男性に対する恐怖を完全に拭える日が来るまで待つべきだ。
そう、思っていたのだが。
「…す、砂川君」
スマホもDVDもテーブルの上に戻した相澤が、白い頬を紅潮させたまま、俺の方に向き直る。
「えっと、その…」
そのまま何かいいたげに俺の目をみては反らし、俺の目をみては反らしを繰り返す相澤。
そんな相澤の瞳は秒を重ねる程、今にも泣き出してしまうんじゃないかと心配する程にうるんでいく。そんな相澤を見て、気に病ませてしまったのだと察した。
「相澤、楓の言った事なら本当に気にしなくていいから」
不安げに涙ぐむ相澤に、そう言葉を返した時。