恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
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相澤は昔から、俺にとってどこか放っておけないような、そんな存在だった。
「砂川は良いよなぁ。なぁ、どうやって相澤さんと仲良くなったんだよ」
男子とはあまり積極的に話をしない相澤にとっての唯一の男友達。
高校時代、少なくとも俺の友人達から見た認識はそうであったらしく、そう言って半ば責められるようによく羨ましがられていた。
「相澤さんが自分から話かける男子なんて隼斗だけだし。顔か?包容力か?ほんと俺、お前が羨ましいよ」
「……。」
正直言って相澤の方から俺に話しかけてくる事は滅多にない。あったとしてもそれは現代文か古文の問題が分からないから教えてくれと頼まれる時くらいだ。
後の殆どはいつも俺から。というのも俺と相澤は何故か席替えの席が近くなる事が多く、そうなってくると必然的に会話するシーンが増えるからであって。
だから実際の所、俺は相澤に友人だと認識されているのかどうかも怪しい。
だがそんな事を言っても友人達の火に油を注ぐだけだという事は分かっていたので、適当に流してスルーするというのがすっかり当たり前と化していた頃。