恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「隼斗、相澤さんが最近文芸部に入ったって知ってた?」
ある朝のホームルーム前。
そんな友人の言葉を聞いた時、俺は驚きを隠せなかった。
「え…文芸部?相澤が?」
国語を、その中でも特に現代文を苦手とする相澤が一体どうして。
(相澤、読むのもライトノベルが頑張って限界。書く方は作文用紙1枚が限界だってこの間言ってなかったか…?)
「そうそう。相澤さんの友人からの情報だから確かだよ。…まぁそこで問題なのが、これから相澤さんは文芸部の部室に男の先輩と二人きりで放課後を過ごすって事なんだよなぁ」
「二人きり?」
「変な所で鈍いんだな、お前。文芸部の部員はその男の先輩と相澤の二人だけって事だよ」
そんな友人の言葉に、俺の心の何処かが、急に風が吹いたかのように冷えたのが分かった。
相澤の行動の意図を察せない程には俺も鈍くは無かった。