恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】


「…そうか。お前が側についててくれるなら、俺も安心できる」

相澤を守ってやりたいんだという秋人に返したそんな俺の言葉は、偽りではなかった。

今まで沢山傷ついてきたその分、これからは何者にも脅かされない幸せな人生を生きて欲しい。それが俺にとっての一番の願いで、紛れもない本心だった。

その為なら秋人との結婚はきっと祝福すべきものであり、何よりの安心の淵源の筈だ。

相澤には幸せになって欲しい。…例えその相手が俺ではないとしても。

その時は半ばそう自分に言い聞かせていたようなそんな気持ちは、やがて本心へと化した。

忘れもしない、相澤が自ら天津玲二の元へ会いに行った日。

相澤を探している間中、相澤の存在が消えてしまうかもしれないという恐怖と焦燥で、まるで体中の細胞が溶けてしまったかのように俺は生きた心地がしなかった。
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