恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

「おはよう、沙和」

実際には真夜中だったのだのだが、とろんとしたまだ眠たげな様子でまばたきを繰り返す彼女にそう声をかけた。

「……え…?」

つい数秒前まで眠っていたというのに、急にその瞳を見開いて──やがて、その顔を林檎のように真っ赤に染めた。

「砂川君…今…だって、高校の頃から一度も…」
「あの頃とはもう色々と違うだろ」

その反応に思わず吹き出しそうになりながらそう返す。

もう触れられない雪の結晶ではなくなった筈なのに、そんな彼女の反応はあまりに可愛くて困る。

お返しだと言って耳元で返された言葉は、それから暫くの間、俺の耳の中に甘く居座った。








『あえかな君の甘い誘惑。』fin.
< 286 / 286 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:175

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

表紙を見る
きっとこれは眠れない恋の証明。

総文字数/101,045

恋愛(純愛)233ページ

表紙を見る
隠れたがりな君には、明け透けな愛を。ー番外編追加しましたー

総文字数/78,733

恋愛(キケン・ダーク)216ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop