恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「初回だし、今回はここまで。また一週間後に経過をみるから、医院に来れそうな日が分かったら俺に連絡して」
そう言って、さっきと同じように電話番号の書かかれたメモを差し出された。
「ありがとう。でもあの、自分で予約を取ってくるから大丈夫だよ」
「いいけど、それだと担当は俺じゃなくなるかもしれないけど大丈夫か?ここ、俺以外の精神科医も臨床心理士もみんな男だけど」
「えっ」
メモを受け取りながら思わずそんな情けない声が漏れる。
お医者さんだと分かってはいても、それでも砂川君以外の初対面の男の人に診察されるのは怖い。
それもトラウマ話を事細かく話さなければならないと考えると、それは砂川君以外には有り得ないと思った。
今日、ただ事実関係を話すだけでもあれだけ苦しかったのに。
「…やっぱり砂川君に連絡します」