恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
そんな質問を砂川君にするのは小っ恥ずかしいような気がして、両手を横に振った。
いやでも、砂川君はお医者さんな訳だし、患者としてそういう質問をするのは別に恥ずかしい事じゃないのか…。
でも、私が恋愛出来ないままでも誰に迷惑をかける訳でもないのだから、治らないなら治らないままでもあまり問題はないのかもしれない。
「じゃあ、タイミングがあったら聞いておくね」
「うん!そして、その相手になって下さいって言っておきなさいよ」
「もー…」
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(綾香がおかしな事言ったから、なんだか妙に緊張する…)
仕事を終えて帰宅してから、砂川君に渡された電話番号の書かれたメモを見て携帯にその番号を打ち込みながらそう心の中で呟く。
──また一週間後に経過をみるから、医院に来れそうな日が分かったら俺に連絡して。
そう言われたので今から砂川君に電話をする所なのだが、情けない事に男性と電話をするというのも自分にとって苦手な事の一つだった。