恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「ありがとう」
「……っ!?」
紙を手渡す瞬間、差し出されて固定されていた砂川君がグッと伸びて私の手に触れた。
全身にビリビリビリっと電気が走ったようにビクっとし、カァッと一瞬で顔が熱くなる。
思わず瞬時に素早く引っ込めようとした自分の手を、理性で抑えながら不自然じゃないタイミングでさっと引き戻した。
(今のってもしかして…)
「よく頑張ったな。これでSUDが10の項目はクリアだ」
そう言った砂川君の表情を見て、今のは絶対わざとやられたんだと確信した。
「"男性から物を直接受け取る"は今達成出来たから、今週の宿題は、"男性のレジで会計を済ませる"にしようか。
あと、呼吸再調整法の練習も毎日の宿題として継続して練習するようにして。出来る?」
「は…はい」
すっかりくたびれてしまい、体から力が抜けたようにストンと椅子に腰掛けながら返事をする。