恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
「う…」
砂川君の言葉がサクッと胸に刺さる。
ごもっともだ。それに心の準備をする期間は1週間とたっぷりあった。
「まぁ、相澤が良いって言うまでは俺も治療始めるつもりないから安心して」
そう言って砂川君が少しだけ椅子の角度を変え、私に向き直ってその脚を組む。
「数時間とは言わない。今日が無理そうなら来週に延ばしてもいい」
「え…」
「相澤の治療期間はその分延びていくけどな」
「……。」
砂川君のその爽やかな笑顔が、今はちょっとだけ怖い。でも、それもそうだと自分を奮い立たせて頷いた。
「う…早く治したいので、やっぱりもう待たなくて大丈夫です」
「そう?じゃあ始めようか」
そう言って砂川君が白衣の内ポケットから、黒くて小さな機械を取り出す。そしてそれをコトンと机の上に置いた。