恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

「す、砂川君。もしかしてあの後、意識失った私をここまで…?」

「ん?あぁ。
相澤がいきなり倒れるから驚いた」

そう肯定され、申し訳なさや情けなさやらで内心で声にならない叫び声を上げた。

「ご、ごめんなさい!本当にごめんなさい、凄く迷惑かけて…それとありがとう」

「いや、俺こそ悪い。意識失ってから良かったものの、本当は俺に運ばれるどころか触れられるのもしんどいんじゃないか?」

「………。」

そう尋ねられて答えに詰まった。
砂川君の言うことは当たっている。

砂川君だからだとか、誰がどうだとかは関係なく、私は男性に触れられる事が駄目なのだ。もっと言うと至近距離に男性が近づく事も辛い。

だが、こうして私をここまで運んでくれたという砂川君にまるであなたに触られる事が嫌ですと言っているようなのではないかと思うと、砂川君の質問に正直に頷けなかった。

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