恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
悔やんでも過去が変わるわけじゃない。
お姉ちゃんが戻る訳じゃない。
痛いほどに何度も突きつけられ続けた事実に、何度も発作を起こしそうになる身体はまだついていけてないのだと感じる。
「私…こんな調子で、ちゃんと治るのかな…」
思わず無意識に口から溢れたそんな言葉は、情けない弱音だった。
「治るよ。俺が治すって言っただろ?」
ハッとして口を押さえるのと同時に、砂川君がそう返す。
思わず漏らした本音に、顔色一つ変えずそう即答されて一瞬ポカンとした。そして。
(……ん?)
「急に固まってどうした?」
「へ?あ、いや…」
(なんか、心臓が急にびっくりした…?)
「な、何でもないよ、ありがとう」
(…何だったんだろう、今の)
「あぁ、焦らなくていい」
発作が起こる時の不安な動悸とはまた違った感覚に目を逸らしながら、私は砂川君の言葉に頷く。