恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】


「そういえば、先週のエクスポージャーの課題はどうだった?」
「あ、ちゃんと男性店員のレジで会計出来たよ」
「そうか、よく頑張ったな」

そう優しい声で褒められ、少しざわついていた心が落ち着いて嬉しい気持ちになった。

「前からちょっと気にはなってたんだけど、"男性のレジで会計を済ませる"と"男性から物を直接受け取る"を達成出来てる時点で、4項目目の、"男性に半径1メートルの距離を割られる"もほぼクリア出来てると思うんだよなぁ」

砂川君が前に私が書いた不安階層表を見ながら考えこむようにして顎に手を当てる。

(…あ、言われてみれば確かに)

「意識の問題かな。物渡す時も会計する時も、相手との距離を考える事から意識が逸れてるのかもしれない」

そう言って砂川君が引き出しからメジャーを取り出す。

「相澤、今度から意識してみようか。俺と相澤との距離がどのくらい離れてるのか」

メジャーをカチカチとのばしながら、砂川君がそう言ってニコっとした。

「え?」

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