恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

呼吸再調整法の練習。
現実エクスポージャーの課題。
想像エクスポージャーの録音を聞く。

今日から早速宿題を頑張らないとと内心で拳を握る。

「あっ・・・」

そして車のドアに手を掛けようとした時、鞄の中に忍ばせておいた砂川君へのお礼のお菓子の存在を思い出した。

今日診療が終わったら渡すつもりだったのにと、うっかり忘れてしまっていたことに気がついた。

(どうしよう、今日の診療は終わったのにまた医院に戻るのも迷惑だろうし・・・)

そうため息をつき、肩を落としたその時だった。

「──?」

ポケットに入れていたスマホが着信で震えた。

誰だろうとポケットからスマホを取り出し、画面に映っていた着信相手を見て小さく怯む。だがそのまま出ない訳にはいかず、画面をスライドさせて電話に出た。

「・・・もしもしお母さん?」

『久しぶりね沙和。そんなに家も離れてないのに、あなた全然顔も見せにこないんだから』
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