恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】

「沙和、今日なんか顔色悪いし、まだ慣れないエレベーターじゃなくて階段にしない?」
「綾香は心配しすぎだよ、大丈夫だから。ね?」
「……。」

そうお願いをされるように小さく首をかしげられて、断りきれずに二人でエレベーターに乗り込む。
乗り込んで…沙和をエレベーターに乗せた事を直ぐに後悔した。

「おっ、美崎じゃん。久しぶり」

エレベーターの中には先に一人の男性社員が乗っていた。営業部の海里大和。大学からの友達で、今も友達を交えて飲みに行く事がある。

「海里…」

海里は友人で、会社でばったり会えば話をしたりもする。お調子者の海里と話をするのは楽しい。でも、海里に会いたいのは今じゃない。…間が悪すぎた。


「え…もしかして、相澤さん?」


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