恋の忘れ方、怖がりな君の愛し方。【番外編追加】
お見合い"させられる事になっちゃった"って事は沙和も不本意なんだろうし…それなら何で。
「ねぇ、沙和も乗り気じゃないんでしょ?お母さんにその話は断れば良いじゃない」
「私だって、お見合いしたくなんてないよ。でも、お母さんの言う事に逆らうなんて出来ないし」
そう言って沙和が力なく笑う。
お母さんに逆らうなんて出来ないと、まるでそれが当たり前かのようにそんな事を口にする沙和に目を見張った。
成人した社会人の娘が、母親の言う事に物申せないなんて話聞いたことが無い。
…一体どういう親子関係だというのだ。
「じゃあ、砂川君の事はいいの?」
「え…砂川君?」
そうキョトンとして首を傾げる沙和に、あぁもうっと頭を掻きそうになった。
「とりあえず、砂川君に隠さずに相談したらいいじゃない!そうしたら砂川君、きっと恋人のふりだって何だってやってくれるわよ」