先輩、恋愛はちょっと待ってください!!
人を振ってしまったと思った刹那、絶対に惚れさせる宣言されちゃったんですが!!

「恋愛はしばらくいいのに〜……」

真っ赤な顔を押さえ、私は呟いた。



幸野さんは宣言通り、アプローチを本当に開始してしまった。

「花見さ〜ん!エアマット借りてきて〜」

「花見さん!この紙を外来の麻酔科まで持って行ってくれる?」

「花見さん!この患者さんの搬送一緒に行こっか」

仕事中は私によく仕事を頼んでくる。まあ、仕事を頼まれるのは素直に嬉しい。私のことも名前で呼ぶことはないし、私に触ったり変に口説いたりしない。でも、仕事が終わった瞬間にそれは危険な方向に変わる。

「すぐりちゃん、お疲れ。一緒にスタバでも行ってのんびりする?」

「すぐりちゃんの車ってラパンなんだね。すぐりちゃんっぽくて可愛いな〜」

「すぐりちゃん!今度二人でどこか遊びに行く?友達がインスタで紹介して行きたいところがあるんだよね〜」
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