角松 ヤエ 29歳 OL


「え~っと・・・
調達課の角松ですけど・・。」


「・・・・・・・・・。」


「・・・?もしかして・・
お客様でしょうか・・?」


「あ~まぁそんな所です。」



今更だけどようやく気付いた。

その男の人の胸ポケットに“構内 通行許可証”が付けられている。


あれは多分、社外の人がウチの会社に来た時に守衛所で貰うやつだ・・。


「え~っと、どこの部署へのご用件でしょうか?」


「・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・。」


「・・・・・・?」


「あれ・・・。すみません、私どこに行けばいいんでしたっけ?」


「・・・・・・・・・。」


『知らねーよ!(`Д´)』
と言葉が出掛かったけど、

男の人が裏ポケットに手を伸ばして手帳を取りだした。


「あ~そうだ。
“営業部”ってここにありますか?」


やっぱり営業部か・・。

社外からのお客様と言ったら、大抵は営業部の人との打ち合わせ目的で来社する。


「え~っと、営業部はここじゃなくて西館の2階にあります。」


「ここは西館じゃないんですか?」


「ここは本館です。
あともっと言うと4階です。」


「西館へはどうやって?」


「ここからだったら・・

3階に連絡通路があるので、そこから渡ってもらうと一番早いと思います。」


「あ~じゃあすみませんが案内して頂けますか?」


・・・What’s・・?(゚Д゚)


「え、え~っと・・・。」


「じゃあ行きましょう。」



今の私の心境を言葉にするなら・・【総務に用事があっただけなのに】・・(゚-゚)


スマホを落としただけの北川景子ちゃんの気持ちがちょっと分かった気がした(゚-゚)




















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