角松 ヤエ 29歳 OL


―――――― 


「・・・・・・・・・・・・・。」


“あ~終わった・・”
とダレた声を心の中で挙げる。


午前中の伝票入力が一段落して、
パソコンの右下を見ると12:20の表示。


私達の部署のお昼休憩時間まで残り10分。

社員食堂の混雑を避ける為、11:30から部署単位で区切られて始まる40分間のお昼休み。


何をどう血迷ってそうなったのか、

私が所属するこの課は、一番遅い12:30~13:10ブロックに割り当てられていた。



「・・・・・・・・・・・。」


“あ~お腹空いた・・”
とダレた声を心の中で挙げる。


毎日毎日、
12時を過ぎると鳴り出す空腹の鐘も、

のど自慢なら合格判定となるほどまで高鳴っていた。


・・・・休憩まで残り10分。


今から新しい伝票に取り掛かっても中途半端なところで終わってしまう。

だから一応“フリ”だけしておいて何も手を付けない。


トイレに行って時間を潰すのも一つの手だけど、

“あ、角松の奴、フライングで昼休憩取り始めた”と思われるのも嫌なので・・・

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