角松 ヤエ 29歳 OL


―――――― 


「あ~ヤエさんやばいです。
これ絶対夜に腫れるパターンです。」


右手に持つフォークでモンブランを刺したまま、

対面に座るサチコさんは左手に持つハンカチで目頭を押さえる。


「サチコさん珍しいですね。
涙腺に直撃でしたか?」


「ヤエさん、私ネコ飼ってるからホントやばいんですよ。」



・・・・やはり持論通り、
めちゃくちゃ面白かった。


面白かっただけでなく、

対面に座るサチコさんの目が今もなお潤んでいるように、

西野圭吾ならではの、あのなんとも言葉に表わしがたい切なさがラストを包んだ。



ざっくり言うと、

とある架空の国で、イヌやネコといった動物愛護が根底にあって、みんな一家に一匹以上なにかしら飼ってる平和な国で、なんやかんやで王様になったリバル国王がものすごい暴君で、『イヌ・ネコ虐殺令』を発令して、王家に対する反乱を決意する青年、王家への服従を余儀なくされる青年、2人の青年がなんやかんやで・・そしてラストにはリバル国王の衝撃的などんでん返しが・・

というお話だった。


< 34 / 115 >

この作品をシェア

pagetop