角松 ヤエ 29歳 OL
「・・・・・・・・・・・・。」
「・・・・・・・・・・・・。」
もちろん、ゴマキは選ばない。
何故ならゴマキは私達の5個上で、さすがに後藤役を演じるには無理があるから。
「あ、ヤエさん。
この子とか後藤っぽくないですか?」
「あ~まぁ後藤には勿体ない気もするけど、しょうがないからこの子にしてやりますか。」
私達は基本、自分に甘く後藤には手厳しい。
ごめん後藤・・(^◇^;)
でもあなたの可愛さは私もサチコさんもちゃんと認めてるから。
後藤役が小芝風花ちゃんに決まったところで、まだまだ妄想話は加速していった。
「「・・・アハハ!
そうそうそれで・・」」
ちなみに、私もサチコさんも言葉には出さないけど、こういう妄想話をする度、
『そんな世界あったら行ってみてーよ』とか、
『そんな簡単にタイムスリップ出来るなら乱用してーよ』とか、
『夏帆ちゃんと蓮佛美沙子ちゃんになれるならローン組んででもお金は惜しまねーよ』とか、
頭の片隅に常にありながら、
言わないのが暗黙の了解。
映画とパスタとケーキと過ごす土曜日の昼下がり。
異世界なんかに行かなくても、
シネマがあって、
たらこが大盛りで、
濃厚チーズが口溶けて、
この世界だって、
そんなに捨てたもんじゃない。
第3話 完