角松 ヤエ 29歳 OL
第4話


第4話


私のトリセツに、ポテチは必須



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25日。

毎月、1ヶ月の中で、
一番気分が高鳴る25日。


始業のチャイムが鳴ると、私達の“ボス”塚本課長が長方形の紙の束を持って、

端の席から周り始めた。



「ウィ~角松さん。ヒック今月もお疲れさん。
ウィ~はい、給与明細ですヒック。」


「ありがとうございます。」


私達の会社は、毎月25日が給料日。

塚本課長から手渡された長方形のペラペラの紙が、朝から幸せを運んでくれる。




「ウィ~はい後藤さん。
来月もヒックよろしく頼みますよ~ヒック。」

「ありがとうございまーす!」


すぐに鞄へしまうタイプの後藤と違い、

私はすぐに明細を開いて、
ニヤニヤしちゃうタイプ。


キリトリ線に沿って折り曲げて、
ピリピリと切り取っていく。

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