虹色アゲハ
それを揚羽は、タクシーでここまで運んでしまい…
その際、行き先にこのマンション名を告げたため、盗聴器を通じてバレてしまったというわけだった。


「…やってくれたわね」

鷹巨のキャラに油断して、まんまと謀られてた自分に…
片手で顔を覆って、溜め息を吐き出した。


「あ、でもっ、元カノ(かのじょ)にここの事は言ってません。
結局失敗した作戦だから…
すぐ捨てられたみたいだって、話してます」

どうかしらね。

捨てられた事を、少し悲しげに話していた鷹巨だったが…
一杯食わされた手前、すっかり不信感を持つ揚羽。


「それで?
なんの用で会いたかったの?」

毒女の示談金は、ちゃんと時間内に入金されていて。
ヤクザの方も、ツテがあるという倫太郎が…
二度と情報を漏らさないといった約束と、違約金等が記載された示談書でケリをつけてくれていて。

もうこの件は片付いたと思っていた揚羽だったが…
凝りもせず他の手段で復讐を企んでいるんじゃないかと、警戒する。

例えばまだ毒女と繋がっていて、その仕返しに刺されたりするんじゃないかとか…
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