虹色アゲハ
そのやり取りを聴きながら…

なにストレートに切り込んでんだよ!
俺が着くまで他の話で繋いどけよっ。

単刀直入に核心に触れる揚羽に、焦る倫太郎。


そんな中、鷹巨はゆっくり語り出す。

「俺、あれから色々考えて…
あの日は、2人の本性を知ってショックだったし。
元カノ(かのじょ)の事も、すごく悲しかったけど…
でも思ったより早く立ち直れたんだ。

気持ちのぶつけ先が出来たってゆうか…
気付けば聡子さんの事ばっか考えてて。
そしたら無性に会いたくなって…
会って、目的を果たしたくなって。

連絡先は消えてたから、ここに来るしかなかったんだけど…」

「…つまり、なにがしたいの?」

「つまり…」
思い詰めたような鷹巨が…

その目をぐっと揚羽に突き刺した。


「聡子さんの事が好きなんだっ」

「……はあっ?」

盗聴器越しに聴いていた倫太郎も、同じく「はあ!?」と面食らう。


「…あぁ、そう。
でもごめんなさい」

「速攻っ?」

「当たり前でしょ?
どう考えてもおかしいでしょ」

「確かに、出会い方は悪かったけど…
でも俺、復讐に協力してる時から、聡子さんの事は悪い人に見えなくて。
今となっては、優しい人だなって…」
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