虹色アゲハ
「どこをどう解釈したらそうなるワケ?
あの女への仕打ち、見てたわよね?」

「だから、それも。
厳しい状況に追い込む事で、足を洗う方向に持ってって…
更生させようとしてたんだなって」

「はあっ?」

確かにそういった意図もあったが…
それは再犯防止と、これ以上被害者を増やさないためが主な目的で。


「あんたの頭もたいがいお花畑ね。
私はあの女がどうなろうとどうでもいい」

そう、毒女の兄に復讐を依頼した被害女性は、当時自殺未遂にまで追い込まれ…
毒女も、そんなふうにたくさんの被害者を苦しめていたため。
突然の報いだと思っていた。

それでも今は後悔や反省をしているのなら、少しは現状を考慮するところだが…
逆恨みするような相手に、同情の余地はなかったのだ。


「でも被害者の事は1番に考えてくれてる。
謝罪させようとしたり…
タダ働きになるのに、依頼料も全部俺に返してくれたし」

「別に、お金目的じゃないからね」

「ほらっ、それってつまり被害者の救済が目的って事だし」

「やめてよ、そんなつもりさらさらないわ。
強いて言うなら、自己満足で自分がスッキリしただけ」

そう、自分が救われたいだけよ。
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