虹色アゲハ
憎らしいほど余裕ね…
相手にもしてない久保井の態度に、怒りが露わになる。

「じゃあ教えてあげるわ。
柑愛から、学資保険の解約返戻金を奪おうとしてるみたいだけど…
今すぐやめないと、警察に通報するわよ」

「ふぅん、それ本性?
面白いね。
けど揚羽ちゃん、勘違いしてるよ。
俺は借りるだけで、すぐに返すつもりだし」

「そんな嘘が通用すると思う?
あんたが結婚詐欺師って事は、調べがついてんのよ」

「それどこ情報っ?
そんなの信じるなんて、揚羽ちゃんって騙されやすい人?」

自分を騙した張本人から、そう笑い飛ばされて…
揚羽はカチンと逆上する。


「とぼけんのもいい加減にしたらっ?
それが通用する相手かどうか見抜けないなんて、あんた三流の詐欺師?
あぁそっか、同じ名前で詐欺するぐらいだし、ただのバカか。
そんなバカの分際で私の親友を騙したなんて、いい度胸じゃない。
残念だけど、その子の証言で訴えさせてもらうから」

「なんだ、完全にバレてたんだっ?
でもおかしいな…
バカでも証拠は1つも残してないのにな。
まぁあるなら訴えていいよ」
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