虹色アゲハ
「バカなの?
しれっと盗聴器仕掛けるヤツから受け取ると思う?」

「ああっ、そっか…
じゃあ何なら受け取れる?」

「さぁね、マンションとか?
次は大阪住みたいし」

「マンション!?
いやそれは、さすがに…
遠距離になるし」

揚羽はガクッと気持ちがずり落ちて。

「いやソコじゃないでしょ!
あぁもバカすぎて…
なんかもう呆れるの通り越して、癒されるわ」
と、力なく笑った。

「ほんとにっ!?
うわバカでよかったぁ〜」

「…やっぱ呆れるわ」

「ええっ、振り回す…
いくら秋だからって、聡子さんの心秋空すぎだよ」

「あんたが予想の上行くバカだからでしょ」

「そんなにっ?
でも俺、今まで言われた事ないけど」

「気づかないほどバカだったんじゃない?」

「うわ、突き付ける〜」

揚羽はふふっと吹き出しながらも…

狡猾な久保井の後なだけに、その間抜けさにほっと癒されていた。



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