虹色アゲハ
恐喝は、揚羽が男役に成りすましてメール等で行ったり、ヤクザをお金で雇ったりしていた。
だから倫太郎が黒詐欺の事で声掛けてきた時も、ヤクザ経由の情報漏えいだと思っていた。

それは違ったものの…
一時的な協力者を雇えば、余計な出費がかさむうえに自身のセキュリティも甘くなる。
そのため揚羽は、ちょうどそれを控え始めた頃だった。


「ボディガードって…
あんたって頭脳派なの?肉体派なの?」

「…どっちも?
両方で守ってやるよ」

「ずいぶんイカれたハッカーね」


そうして2人は、自然とバディになっていった。



ーー
ーーー

「で、どうすんだよ。
胡散臭いなら断るか?」

「受けるに決まってるでしょ。
この母親の命に関わってんのよ?
それに都合よくエリートだし、美人局で速攻終わらせる」

そう、それなりの定職に就いている場合や妻がいる場合は、不倫を公にされたくないため美人局が効果を発揮する。

だけど…


「は?
美人局はやめろっつっただろ」

「いやこっちが、は?
なんで指図されなきゃなんないワケ?
だいたい、あんな気にしてたクセに名誉挽回しなくていいの?」
< 13 / 268 >

この作品をシェア

pagetop