虹色アゲハ
「クッソ!!」

倫太郎は、繋がらなくなった電話と引き止められなかった自分に苛立って、テーブル上の物を床になぎ倒すと。
片手で覆った顔を、苦しげに歪めて項垂れた。


でもやっぱり、どんなに大丈夫と言われても心配でたまらなくて…

いつでも助けられるように、急いで揚羽の側に向かった。



その時揚羽は、鷹巨の部屋の玄関チャイムを鳴らしていた。

エントランスロック解除の際には、突然訪問して来た聡子の姿に驚いた鷹巨だったが…
その時の様子がおかしかったため。

いらっしゃい、と優しく出迎えると…
揚羽はすぐさま、その胸に飛び込んだ。


「ねぇキスしてっ…
利用していんでしょっ?
上書きして全部消してよ!」

その言葉に、再び鷹巨は驚くも。


「ん、いいよ…
俺が全部忘れさせる」
そう囁いて。

揚羽に優しく口付けた。


そしてすぐに唇を絡めると…
甘く、濃密に絡め合い。

同時に舌も這わせ始めると、ふいに口内へと潜り込み…
今度はそれを絡め合う。


次第に2人は激しく求め合い…
夢中でそれを続けるうちに…

自然と、ベッドへ流れ込んでいったのだった。

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