虹色アゲハ
「心配かけて、ほんとにごめん…」

「……泣くなよ。
生姜焼きで、勘弁してやるから」

「っ…
それだけっ?」
倫太郎の不器用な優しさが心に沁みながらも、それに応えて泣き笑う。


「あと…
もしもん時のために、携帯の電源だけは絶対に切るな」

「…ん、ごめんっ。
いつもほんとに、ありがとう……」

もしかしたらバディを解消されるかもしれないと、心のどこかで不安になっていた揚羽は…
当たり前のようにこれからの事を話されて、胸が暖かいもので締め付けられる。


そして、以前は誰とも組む気なんかなかったのにと…
今では倫太郎を失うのが怖くなってる自分に、秘かに驚いていた。



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