虹色アゲハ
そんな事をすれば、鷹巨の気持ちをもっと加速させてしまうと考え…
お互い辛くなるだけだと、敬遠していたのだ。

そしてなりより。

「ていうか…
倫太郎に作りたい(・・・・・・・・)んだから、食べてくれたっていいじゃない」

「っ…
あぁも、生姜焼きなっ?」

嬉しさと苦しさで胸が引き千切れそうになりながら、そう言い捨てる。


「またそれ?
飽きないわね…」

「じゃあ何でもいーよ。
オマエが作るもん全部旨ぇし」

思わずドキリとする揚羽。


「あんたって…
たまにさらっと女心くすぐるわよね」

「はっ?知らねぇよ」

「ふふ、じゃあなんか適当に買ってくるから待ってて?」


もう好きにしろよ…
オマエがそう(・・)思ってくれんなら、心がぶっ壊れても押し殺してやるよ。

そんな思いで…
揚羽の気持ちに応えた甲斐あって。


相変わらず幸せそうに食べる倫太郎に…
揚羽は、再び久保井と戦う元気をもらっていたのだった。



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