虹色アゲハ
ところが久保井は、あれ以来パッタリ店に来なくなり…

勝負の決着が付いてないにもかかわらず、本当に切り捨てられたんだと。
揚羽は再度ショックを受ける。


だからといって、ここまま終われる訳もなく…
必死に打つ手を考えていた。

そう、下手に謝ったり取り繕っても、シラけてる久保井には逆効果だと。

なぜならその男が気に入ったり、新たに好意を抱いた時は…
揚羽が強気な発言をしたり、余裕な態度を見せた時だからだ。


だとしたら、あの男と寝るしかないか…

つまりこの状況を覆すには、一旦相手の要望を飲むしかないと判断する。
仮に「やらなきゃ落とせないの?」と挑発したところで、負け惜しみにしかならないからだ。


それでも「もういいよ」と跳ね返されるかもしれないが…

「悪いけど、この勝負負ける訳にはいかないの。
つまり途中で投げ出されても困るから、やらせてあげるって言ってんの。
それともこの前の発言はハッタリで、私をイカせる自信ない?」
そう挑発すれば、再び興味を示すんじゃないかと踏んだのだ。
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