虹色アゲハ
でもすぐに、とある言葉に反応する。

「別に困んねぇよ。
1人で出来る事するし、必要なら新しいバディ探すし」

そう、たとえ他の男と結婚しても。
一緒にいられなくなっても。
倫太郎は揚羽に、自ら足を洗ってほしかったのだ。

これ以上傷付かないうちに、出来れば幸せな形で…


そこに本人から、それを匂わす言葉が発せられたため。
こっちの事を気にせず、安心してバディをやめれるように仕向けたつもりだったが…

倫太郎にとってその程度の存在だったのかと、揚羽は激しくショックを受ける。


「へぇ…
最高のバディとか言っといて、誰でも代わりになるんだ?」

「そうじゃねぇけど…
まぁ、天才ハッカーだし?
バディには不自由しねぇだろ」

「…だったら足なんて洗わない。
私だって、天才ハッカーを譲るわけにはいかないからね」
それを口実にした揚羽だったが…


「はっ?
いやこっちが意味わかんねぇし…
幸せになりてんじゃねぇのかよ」

「ちょっと夢見ただけでしょ?
だからプロポーズは受けないし、ずっとあんたのバディでいるから」

その言葉に、一瞬喜んだ倫太郎は…
天才ハッカーだからかと、すぐに切なさに潰される。
< 177 / 268 >

この作品をシェア

pagetop