虹色アゲハ
かなり大きな組織…
それも足を洗えないくらいの…

それは、久保井がヤバめの組織ぐるみで動いていると言った、倫太郎の情報と合致していて。

完璧なまでに手掛かりを残さない男が、自ら暴露した状況に…
あながち嘘じゃなさそうだと判断する揚羽。


「だからって…
私に助けを求めるのは筋違いじゃない?
しかも勝負を途中で投げ出しといて」

『投げ出してなんかないよ。
揚羽ちゃんの事、好きだって自覚して…
だから足洗おうと思って立ち回ってたんだ』

私のためにっ?
思わずぎゅっと胸が掴まれて。

慌ててそれを振りほどく。


「そんな手口に騙されると思うっ?
悪いけど私、結婚するの。
だからもう、あんたのお遊びには付き合えないから」

『遊びじゃないよ。
てゆうか、結婚?
この前まで、愛なんか信じてなかったくせに?』

「信じられる愛を見つけたのよ」

『だからって…
そんな人間が簡単に人を愛せるとは思えないけど』

「愛される幸せに気付いたの!
とにかく、そういう事だからもう掛けて来ないで」

『無理だよ。
だってそいつより俺の方が、何倍も…
何百倍も愛してるから』
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