虹色アゲハ
最後?
もう二度と、会えない?
その言葉と、ヤバい組織から逃げているという状況から…
命を狙われているのが窺われ。
「今どこっ?
すぐに向かうわ」
逸る思いで問いただすと。
『望っ…
…ありがとう』
仁希はそう声を震わせた。
それから、タクシーの運転手に行き先の変更を告げた望は…
今度は、別の涙に襲われる。
ごめんね、鷹巨…
ごめんなさいっ……
そのマンションを目前に、きっともうここに来る事はないだろうと。
胸が千切れそうになる。
そう、仁希が全てだった心が甦った事で…
望の心は仁希に向いてしまったのだ。
それにより、鷹巨に別れと謝罪のメッセージを送ろうとしたが…
ー「受け取ったら最後、あんたの前から消えるわよっ?」
「…うん、そうして?
そうでもされないと俺、一生諦め切れないからさっ…
聡子が本気で別れたいなら、俺との手切れ金にして奪っていいよ」ー
そのやり取りを思い出し。
苦渋の思いで、聡子の携帯の電源を落とした。
手切れ金は、頃合いを見計らってこっそり返すとして。
今は詐欺を装って消えた方が、鷹巨も踏ん切りがつくんじゃないかと。
もう二度と、会えない?
その言葉と、ヤバい組織から逃げているという状況から…
命を狙われているのが窺われ。
「今どこっ?
すぐに向かうわ」
逸る思いで問いただすと。
『望っ…
…ありがとう』
仁希はそう声を震わせた。
それから、タクシーの運転手に行き先の変更を告げた望は…
今度は、別の涙に襲われる。
ごめんね、鷹巨…
ごめんなさいっ……
そのマンションを目前に、きっともうここに来る事はないだろうと。
胸が千切れそうになる。
そう、仁希が全てだった心が甦った事で…
望の心は仁希に向いてしまったのだ。
それにより、鷹巨に別れと謝罪のメッセージを送ろうとしたが…
ー「受け取ったら最後、あんたの前から消えるわよっ?」
「…うん、そうして?
そうでもされないと俺、一生諦め切れないからさっ…
聡子が本気で別れたいなら、俺との手切れ金にして奪っていいよ」ー
そのやり取りを思い出し。
苦渋の思いで、聡子の携帯の電源を落とした。
手切れ金は、頃合いを見計らってこっそり返すとして。
今は詐欺を装って消えた方が、鷹巨も踏ん切りがつくんじゃないかと。